「Jupiter」が大ヒットの平原綾香”いい環境を用意されて当然”という慢心が感謝に変わった理由

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平原綾香の”音楽人生のピンチ”を救ったものとは

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シンガーソングライター・平原綾香。
彼女が今年、愛をテーマに製作したアルバム「LOVE」の中の楽曲「STAR」が、映画『マイ・ベスト・フレンド』の日本版テーマソングに起用された。
「ありがとう」という相手への感謝の気持ちを綴ったラブソングとなっているが、平原の音楽人生のピンチを救ったのも、この「ありがとう」という人への感謝の気持ちだったという。

”慢心”が”感謝”に変わったという、そのきっかけは何だったのだろうか。


ミリオンヒット曲「Jupiter」との出会い

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2003年、イギリスの作曲家・ホルストの組曲「惑星」の第4曲「木星」を原曲にした「Jupiter」で歌手デビューを果たした平原。
この曲は売上100万枚を突破するほどの大ヒットとなったが、出合いは運命的だったという。

「大学1年生の時、デビューが決まっていたのですが、その時の曲はラブソングの予定だったんです。でも2年前にアメリカで同時多発テロが起き、世界中が混とんとしていて、少しでも癒される曲の方がいいんじゃないかと漠然と思っていたんです。そんなとき、たまたまクラシックの授業でホルストの組曲を聴いて涙が止まらなくなったんです。直観的に『この曲に日本語の歌詞をつけて歌いたい』と思ったんです。そこから『Jupiter』との旅がはじまったんです」。



リリース後の2004年、最大震度7を観測した新潟県中越地震が発生した際には、被災地の人々を勇気づける曲として「Jupiter」が数多くリクエストされ、そのつながりで翌年には平原自身が、復興を祈願する花火大会で「Jupiter」を披露した。

「新潟や長岡にお邪魔したとき、色々な人から『ありがとう』と言っていただいたんです。自分が発している歌や歌詞を聴いてくれている人がいるということを実感できましたし、こういう人たちのおかげで私自身、歌うことへの意志の強さや、責任感を強く持つことができたんです」。



祖父、父、姉が音楽家という家庭に育った平原。
そんな彼女にとって音楽は日常ではあったが、ファンからの「ありがとう」という言葉は、自身の歌手という自覚をさらに強いものにしていった。
そんな平原だったが、意外なことに過去には音楽をやめてしまおうと思ったこともあったという。

「デビューしてから3年ぐらいのときですかね。あるステージで音が聞こえなくて、どうしても歌いづらいことがあったんです。私はずっと『歌いにくい、歌いにくい』って思いながらステージに立っていたんです。私の歌を聴きにたくさんのお客さんが来てくれているのに、そんな気持ちで歌っているなんて、歌手失格だな、もうやめてしまった方がいいって思ったんです。その時に母が『少しでも音が聞こえるなら歌える、大丈夫』って声をかけてくれて……。私自身『音が聞こえて当たり前、いい環境を用意されて当然』という慢心があったんですね。色々な人のおかげで歌わせてもらえるのに、感謝の気持ちが足りないんだって痛感しました。歌えないのは人のせいじゃなくて、自分の実力がないから。そう思ったら、もっと頑張らなくてはと気持ちが晴れていったんです」



ここでも平原は「ありがとう」という気持ちで自分を取り戻すことができた。
周囲への感謝=愛情というテーマで作られた「STAR」という曲は、平原の音楽への思いを象徴しているような作品である。

「この映画のために書き下ろした作品ではないのですが、びっくりするぐらい映画とマッチしているなって自分でも思います。『あれ、私書き下ろしたっけ?』って勘違いするぐらい(笑) 20代の頃はあまり恋愛の歌って得意ではなかったんです。でも30代になって、少し心の余裕ができてきて、人を守りたいという思いや、性別を超えた大きな愛情みたいなものの存在が大きくなってきたんです。そうやってできた曲が、こうして映画の主題歌になることで、故郷ができたというか、多くの人と思い出を共有できるようになる。すごいことですよね」。



常に感謝の気持ちを忘れず、音楽に対して真摯に向き合う平原。
30代になり「自分で決めたルールに縛られないようになった」ことで表現の幅も広がったという。
「今はとても楽しい」と語る平原の今後の音楽活動に注目したい。
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